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ヘッダーの中央帯の写真もサシバです。
鳥を知らない方に「サシバ」の話をすると、「差し歯?」と聞きかえされるのが落ちですね。あまりメジャーな鳥ではないようです。でも、少し鳥をやり始めると、サシバの渡りに興味が沸いてきます。一度は、愛知県渥美半島の先端、伊良湖崎でのサシバの渡りを見に行きたくなります。鷹が巨大な集団で渡っていくのですから、壮観です。
サシバは日本で繁殖し東南アジアで冬を越す渡り鳥です。鷹なのに渡り鳥。これも鳥を知らない方には珍しいことのようです。渡り鳥というと、ガンやカモ、ハクチョウ、そしてツバメなどを連想して、鷹はその中には入っていません。
かくいう私も、鳥を始める前は全くそんな状態でした。しかし、初めて伊良湖崎であの大群、川の流れのように途切れずにとうとうと流れていくサシバの群れを見た時の感動は今でも忘れません。川の流れのように飛ぶのも壮観ですが、幾百ものサシバが鷹柱となって上昇するのも壮観です。ちなみに鷹柱とは「蚊柱」からきているようです。藪に行くと時々異様に蚊が群れて柱のように舞っているのにでくわしますがそれが蚊柱です。
もちろん、中間平のサシバの渡りは伊良湖崎と比べるのも恥ずかしいほどの数しか渡っていきません。しかし、自宅から毎日でも通える距離にそのサシバの渡りが見られるところがあるということが非常に嬉しいのです。そしてここを通ったサシバが、或は伊良湖崎に行くのではないかなどと想像すると、無性に楽しくなってしまいます。
中間平周辺でもサシバは繁殖しています。サシバの繁殖に適しているのは、近くに森のある河川敷や山際の田畑の広がった場所、そして谷津(谷戸)田です。中間平周辺にはこの谷津田がいくつもあります。しかし、私の知る限りここ15年ほどで激減しています。谷津田が耕作されなくなったのが最大の原因だと思いますが、他にも2・3の原因が考えられます。寂しい限りです。
さて、中間平のサシバの渡りの話をしましょう。
サシバは基本的には北から中間平に来ます。前日など前に来てここで夜を明かした者がこの辺りから湧き出すことはありますが、それも北方面から来たものです。中間平の北には数キロはなれた所に鐘撞堂山という低い山があります。そしてその先は平野です。その更に先には赤城の山があります。少し東には日光連山があります。どうやらそちらの方から平野を越えてやってくるようです。
そして南へ・・・・ここがちょっと不思議な所です。ここから先は2つのルートがあるようなのです。一つは外秩父の山に沿って南南東へ。もう一つは南西の秩父盆地に入るのです。秩父盆地に入ったものはどこから外に出るのだろうといつも考えます。
サシバが中間平を通る時間は午前中が多いようです。9時過ぎから1時ごろまでがピークだと思います。ただし、この辺りにとどまったサシバが沸き立つのはもう少し早いこともあります。8時過ぎごろに数十の鷹柱が立ったこともあります。ですから中間平でサシバの渡りを見ようとするなら8時前ごろからがんばるのがベストだと思います。
最後に、中間平でサシバの渡りが見られるのはいつか?の話です。
年によってばらつきがあるのはどの渡り鳥でも一緒です。経験的にいうと秋のお彼岸の頃です。9月の20日前後。10月に入っても少しは見られます。
さあ、そろそろサシバの渡りが見たくなってきましたか。それでは中間平に行ってみましょう。・・・・季節を間違えずにね。
~ 参考文献 「図鑑 日本のワシタカ類」 文一総合出版 ~
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真下からのサシバ。
喉の縦線が特徴です。
今年産まれの若鳥のようです。胸に縦斑が見えます。
霧雨の日、中間平の集落のすぐ下で停滞していたサシバです。
これを見てサシバの軽さが判るでしょう。木のてっぺんなんて、そんなにごっつい枝はありませんから。
これは中間平の真上を帆翔するサシバです。
もっといたのですが、カメラの中に全部を入れるのは難しい。
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これは長野県乗鞍岳中腹の白樺峠でのタカ柱の写真です。
ここは最近とみにサシバやハチクマの渡りで有名になった場所ですね。何度か行きましたが結構面白いです。